多くの日本のスーパーで取り扱われているレモンは、国内産よりも海外から輸入されたものが多いです。
これは、日本国内でのレモン生産量が限定的であるためです。
輸入レモンには、防カビ剤を含む農薬使用が気になるところですが、正しい知識を身につければ安心して食べることができます。今回は、輸入レモンの特性、安全な食べ方、おいしい食べ方や保存方法について詳しくご紹介します。
輸入レモンと国産レモンの安全性
日本のスーパーマーケットでよく見かけるレモンの多くは、アメリカやチリなどの海外からの輸入品です。
これらのレモンは通常、船便で日本に運ばれてきます。
長い輸送期間中に品質を保つため、レモンには防カビ剤を含んだワックス処理が施されていることが多いです。また、多くの人が「国産は安全」と考えがちですが、実際の安全性について考えてみましょう。
輸入レモンに含まれる成分
海外から輸入されるレモンや他の果物には特定のシールが貼られています。
これらのシールにはOPP、TBZ、イマザリルなどの化学物質が使用されていることが記されている場合があります。
これらは食品添加物と考えられがちですが、実は日本では使用が禁止されている農薬の種類です。
これらの化学物質は、輸送中や保管中に果物が劣化しないようにするために使用されることがあります。
日本の基準とは異なり、これらの農薬が海外で使われることに対する懸念もあります。
これらは防カビ剤、防ばい剤（防黴剤）、防腐剤として知られ、いずれも食品の腐敗を防ぐために使用されるものです。食品表示では「防ばい剤」と表記されることが一般的で、これらの用語が混同されがちですが、同じ目的の農薬を指しています。
国産レモンの誤解と実情
一般的に、化学物質が使用される輸入レモンと比べて、国産レモンがより安全だと考える人が多いですが、これは必ずしも正しいとは限りません。無農薬と明記されていない限り、国産レモンにも農薬やワックスが使用される可能性があります。
これらは日本の安全基準に従って使われていますが、これが絶対的な安全を意味するわけではありません。
それでも、日本で禁止されている農薬を使用している輸入レモンと比較すると、国産レモンの方が安心感があると感じる人もいるでしょう。
皮ごとレモンを料理に使う場合は、国産レモンでも洗浄するか無農薬のものを選ぶことが重要です。
日本のレモン市場動向
2019年のデータによると、日本のレモン市場は国内生産と輸入品に大きく依存しています。
日本で栽培されたレモンは約10,433トンに達しましたが、輸入されたレモンは54,287トンで、市場の84%を占めています。
国産レモンのシェアは小さいものの、徐々に増加しています。一方輸入レモンでは、アメリカとチリからの輸入が大半を占め、市場の約94%を構成しています。
これらのデータは、日本のレモン消費の傾向とグローバルな市場動向を反映しています。
輸入レモンの安全な食べ方｜正しい洗い方と農薬対策
海外からの輸入レモンには、防カビ剤を含むポストハーベスト農薬が使用されることがあります。
これらは通常の農薬と異なり、収穫後の果実に直接適用されるため、残留する農薬量が多くなることがあり、皮ごと使われるレモンにおいては健康へのリスクが懸念されます。
これらの農薬には発がん性や催奇形性のリスクがあるとされていますが、日本では食品添加物や農薬の1日許容摂取量（ADI）が設定されており、これが健康への影響を考慮したものです。
輸入レモンを使用する際は、これらの物質の摂取を減らすために注意が必要です。
レモンの安全な利用法
カビ防止剤の使用が心配な場合、レモンを念入りに洗うことが推奨されますが、農薬やワックスが完全に除去されたかどうかは目視では確認が難しいため、より安全を求める場合は、レモンの皮を剥いて使用することが良いでしょう。
これにより、外側に付着している可能性のある化学物質を減らすことができます。
常に清潔にしてからレモンを使用することを心がけましょう。
輸入レモンの効果的な洗浄方法
海外から輸入されるレモンには表面に防腐剤が残っていることが多く、単に水で洗うだけでは除去が難しいことがあります。
効果的な洗浄方法として
「塩」「ベーキングソーダ（食用）」「専用洗剤」
の使用が推奨されています。
塩を使う方法では、小さじ1程度の塩と水を混ぜてペーストを作り、レモンをこすり洗いします。
ベーキングソーダを使う方法では、水に大さじ1のベーキングソーダを混ぜてレモンを1分間浸し、その後スポンジでこすりながら洗います。
また、野菜や果物用に作られた専用洗剤を使用することもできます。
輸入レモンの適切な保存方法と活用ヒント
輸入されたレモンは完熟前に収穫されるため常温で約3週間持ちますが、時間が経つとしわが寄り風味が失われることがあります。購入後は、ラップや新聞紙に包んで冷蔵庫に保管すると良いでしょう。
保存期間は購入時の鮮度によって異なりますが、冷蔵することで長持ちします。たくさん持っている場合や長期保存を希望する場合は、異なる保存方法を検討することをお勧めします。
自家製シトラス酢の作り方
シトラス酢は、冷たい水や炭酸水や牛乳と混ぜて飲んだり、様々な料理の風味付けに使えます。ビタミンCと酢酸の効能で、健康と美容にも良いとされています。
シトラス酢の作り方は簡単で、新鮮なレモン2個を5mm～1cm厚さにスライスし、耐熱容器に入れます。上からグラニュー糖180〜200gを加え、最後に400mlの酢を注ぎます。
蓋をして半日～1日放置し常温で約半年間保管可能です。
レモンとはちみつのシロップ漬け
栄養豊富なレモンと蜂蜜の自家製ドリンクはエネルギー回復や疲労軽減に最適で、レモンに含まれるクエン酸、ビタミン、天然糖は運動後のリカバリーに役立ちます。
作り方は、レモンを3〜5mm幅にスライスし、密閉容器に半分入れた後、蜂蜜をかけます。
残りのレモンを加えて蜂蜜で覆い、容器を閉じて2日間置きます。
冷蔵庫で保存し約半年間持ちます。
総括
重要なポイントをまとめます。
- 輸入レモンは防カビ剤が使用されている可能性があるため、適切に洗浄することが大切です
- また、シトラス酢やはちみつ漬けとして保存することで、約半年間保存可能になります
- これらのレモンに使用される防カビ剤は、日本の輸入基準に適合しているため、正しく洗浄すれば安全に食べることができます
- 国産レモンも、皮ごと食べる際はワックスや農薬が使用されることが多いので、輸入品と同様に丁寧に洗ってから使うことが推奨されています